第63回PAIDEIA哲学カフェ(2024/1/18)報告

 第63回PAIDEIA哲学カフェにご参加いただいたみなさま、ありがとうございました。

 今回ははじめて対面&オンラインのハイブリッド開催、「メンヘラ」をテーマに対話を行いました。

 まず始めはメンヘラに対する大まかなイメージの話から始まりました。実際にメンヘラの彼女と付き合っていた人からは、「束縛が激しい」や「別れたら生きていけない」などといった恋愛を前提としたイメージや、「心配性」や「自分に自信がない」など、メンヘラを個人として見たときのイメージが意見として出ました。ここからメンヘラは大きく「恋愛」と「個人」の二種類があるという話にまとまり、両方に当てはまるイメージとして「依存、執着」が挙げられました。 

 その後もメンヘラのイメージなどを深掘りしていきました。SNSなどでは「ファッションメンヘラ」と言うメンヘラを気取る人や、他者からの評価を得て承認欲求を満たし、また他者からの評価を得るためにSNSに依存、執着してループしていくといった意見も出ました。これと同じような意見として、他者からの愛が欲しい、だが他者は信用できない、しかしやはり他者からの愛は欲しい、というループがあるといった意見も出ました。

 後半ではどうしてメンヘラが生まれるのかという話になりました。そもそもメンヘラを知らない無知であることや、少女マンガ、お金や希望がないといった状態がメンヘラを生むといった意見が出る一方、元からみんなメンヘラの素質があるといった意見も出ました。さらに伝染病のようにメンヘラが新たなメンヘラを生むと言った意見も出てきました。

 この話の最中に新しく生まれたのが「メンヘラは悪か」という疑問です。メンヘラが悪なのであれば増える事を止めるべきですが、そうでないのならば無理にメンヘラを減らす必要はないというものです。これに対して、メンヘラはやはり周りに害を及ぼすという意見もあれば、そんなことはないという考えの人もいました。恋愛においてはメンヘラ同士で付き合って「共依存」すればむしろうまく行くのではないかといった話もあれば、メンヘラは浮気をするという意見も出ており、賛否両論と言ったところで対話は終了しました。

 私は、メンヘラは一種の性格ぐらいの認識していなかったので、メンヘラには種類があるのかもしれないと思い当たりました。今回の対話の中で私が納得したのは、「昔のオタクみたいにメンヘラもいつか世間から認めてもらえる時が来る」という意見でした。時間はかかるかもしれませんが、もしかするとメンヘラの良い部分が多くの人たちに認識されることで、メンヘラの存在が当たり前になる時代も来るのかも知れないとも思いました。

 次回の日程は未定です。追ってご案内致します。
 是非ご参加ください!!

(報告者:高千穂大学人間科学部 齋藤ゼミ2年 射塲大輔)

Leave a comment